クリニックブログ

2020.02.15更新

 

2020年のスギ花粉症シーズンより、重症花粉症患者さんに対する新たな治療が開始されます。重症喘息に対して使用されてきたオマリズマブ(ゾレア®)が季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)に対して新たに保険治療の対象になりました。従来より行われてきた内服治療、点鼻治療、レーザー治療、免疫アレルゲン療法(舌下療法)などの効果に乏しい重症花粉症患者さんのみが行える治療です。非常に効果ある治療ではありますが、非常に高価な治療であり、使用基準が設けられておりますので、すべての患者さんが行えるものではありません。

◆ゾレアは花粉のIgEと結合し、IgEがマスト細胞と結合できなくすることで、アレルギー反応をその元から抑えます。従来の薬物治療(内服薬やステロイド薬)と比較し、アレルギー反応をより上流でブロックする治療です。

◆対象となる患者さん(かなり条件が厳しくなっています)

direスギ花粉症の重症または最重症
dire過去に医療機関で鼻噴霧用ステロイド薬及び内服薬による治療を受けたが、効果が乏しい
direスギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体がクラス3以上
dire血液中の総IgE値が30~1,500 IU/mlの範囲
dire12歳以上で、体重が20~150kgの範囲

 ◆投与方法

月1~2回、上腕などの皮下に注射します。投与量、頻度は体重・血液検査の結果(総IgE値)により患者さんごとに決定します。花粉の飛散時期に3か月程度行います。内服なども併用して使用します。

◆副作用 注射部位の赤み、腫れ。頻度は低いですが、呼吸困難や血圧低下などのアナフィラキシー。

◆実際の投与スケジュール(投与開始まで4回の来院が必要です)

 1回目来院:診察(昨年の治療薬の詳細や症状を確認して、重症かどうかを判定します)薬物治療を開始します

 2回目来院:1週間以上内服していただき、症状が改善しない場合に、血液検査(総IgEとスギのclass測定)をします

 3回目来院:血液検査の結果により、投与量・投与間隔が決まります。ゾレア投与の日程を予約します

 4回目来院:実際の投与開始です

◆値段 子ども医療助成が利用できます(本治療の適応は12歳以上です)。3割負担の方は、ゾレアの薬代が月3万円ほどになる場合が多いです。体重や血液検査の結果では、3割負担で月5~10万円になるケースもあります。投与前に値段をお伝えし、了承を得たうえで実際の投与日を予約します。この時点で中止されてもかまいませんが、高額薬のため予約をとってからの中止は行っておりません。また、高額医療費制度に関しては、加入の保険者に直接お問い合わせください。

 

 

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2020.01.28更新

今年は、スギ花粉の飛散量は昨年より少ないと予想されていますni毎年つらい方にとっては朗報でしょう。

しかし、クリニックにいらっしゃる患者さんのなかには、例年より早めに症状が出ている方もいらっしゃいます。暖冬の影響ともいわれており、花粉が早めに飛んでいるのかもしれません。スギ花粉なのか、もしくはハンノキなどの他の花粉なのかは、はっきりはしませんが、、。スギ花粉の飛散開始予想は、2020年関東では2月10日前後と言われておりますので、スギ以外の花粉が影響してる可能性もあるのです。

leaf「スギ花粉症は、花粉飛散前から治療開始した方がいいのか?」

これに対しては、鼻アレルギー診療ガイドラインによれば、飛散開始予測日には内服開始した方がいいとされています。以前は花粉飛散予測日の1~2週前からの内服開始が勧められておりましたが、前もって内服しないでも、効果はほぼ同等と考えられるようになってきました。どの薬を使うかにより、場合によっては飛散開始予想1週間前からの内服した方がよい場合もありますので医師に確認が必要です。

症状がすでに出ている場合は、飛散開始前でもすぐに内服開始した方がよいので、もうすでに症状が出ている方は、1月中からでも治療開始したほうがよいでしょう笑う

 

給田耳鼻咽喉科クリニック

 

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2019.09.04更新

 

8月後半になると、鼻づまりやくしゃみ、鼻水で来院する患者さんが増えてきます。水っぱなやくしゃみが1週間以上続く場合は、アレルギー性鼻炎による症状の可能性が高くなってきますen

秋は、ダニアレルギーの方の症状が悪化する時期です。家の中のダニアレルゲンの量が、1年のうちで多くなるのが、9月・10月といわれております。夏場に増えたダニの糞や死骸がアレルゲンとなり、症状を引き起こすのがこの時期なのです。

ダニアレルゲンは、特に寝室に多いと言われており、寝具や床などの掃除に力を入れたいところです。また、秋口は、ダニ以外に、秋の花粉といわれるブタクサ、ヨモギなどの飛散もあります。それらのアレルギーがあるかどうかは、血液検査で原因アレルゲンの特定をお勧めしております。

下のグラフは、ある家庭のダニの数とアレルゲン量の月ごとの推移を表しています。ダニが発生しやすいとされる、高温・多湿の条件が、日本では梅雨時からダニがふえる要因とされていますmagnifier

給田耳鼻咽喉科クリニックrabbit

 

dani

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2019.07.24更新

夏になると流行する手足口病の報告数が都の警報基準を超えています。小児を中心に流行することが多いのですが、今年は大きな流行となっています。東京都福祉保健局の報告でも(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/handfootmouth/handfootmouth/)報告数が急激に増えています。

teashi

赤色のドットが今年の報告数ですが、左端の1月からはじまり、この時期に急激に増えております。注意が必要です。

 

主な症状:口の中、てのひら、足の裏などに発疹や水疱ができます。発熱を伴うこともあります。

原因:ウイルス感染です。特効薬はなく、症状を和らげる対症療法です。

のどにできる水疱や、手足をみて見た目で診断するため、特別な検査はしません。一般的に数日でよくなってきますが、のどが痛くて水分がとりづらくなったりしますので、なるべく刺激のあるものは避けて食事をします。便で観戦しますので、おむつを替えたら必ず手洗いをしましょう。手足口病でも、ヘルパンギーナでも、対症療法をするという気泡方針は変わりません。

 

 

 

 

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2019.02.14更新

花粉症対策の記事を監修いたしました。

働く男性向けの記事が多いサイトです。

ご興味あればご覧頂ければと思います。

 

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/orekara/selfcare/20/

orekara

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2018.12.15更新

 

サワイ健康推進課というサイトの、「カラダの豆事典」の12月テーマ、「めまいとメニエール病」の記事を監修いたしました。

ご興味があるかたは、こちらから https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/illness/201812.html ご覧ください。

 

memaisawai

 

 

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2018.08.30更新

 

2018年6月末に、スギ花粉症に舌下免疫療法治療薬「シダキュア」が新たに発売されました。今までの治療薬「シダトレン」は液体薬でしたが、「シダキュア」は錠剤であり、冷蔵保存しなくてよくなり、保管が簡便になりました。また、いままで12歳以上の年齢制限がありましたが、使用年齢に制限がない(5歳以上が推奨)ことや、液剤の「シダトレン」と比べ、高力価の製剤になっており、より高濃度での治療が可能となりました。実際の効果は今後の臨床試験の結果を待たないと何とも言えませんが、より早期に治療効果が出る可能性があるとされています。

ただし、新薬のため、約1年間は、処方日数制限があるため、14日分までしか処方できないため、2週間に1度の受診が可能な人に限り治療ができるということになります。小児患者さんにも適応が広がったことにより、今後広がってゆく治療になることが期待されます。

 

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2018.07.24更新

 

平成30年より、条件付きですが、補聴器購入にさいし、医療費控除を受けられることが、厚生労働省、財務省によって承認されましたflower2

補聴器購入する前に、「補聴器相談医」がいる耳鼻科に受診して書類を書いてもらうことが条件です。

① 難聴がある人が、補聴器相談医を受診

②  書類を記入してもらう

③ それをもって、補聴器販売店へ

④ 購入時に書類の写し、領収証をもらい、これを税務署へ

 hotyoukihojyo

注意点pencil2

*補聴器購入後に補聴器相談医を受診をしても、その書類は発行してもらえません

 補聴器販売店に行く前に受診が必要となります。

 

なお、当院院長は補聴器相談医ですので、医療費控除書類の記入は可能です。

 

千歳烏山駅・仙川近くで耳鼻咽喉科をお探しなら

給田耳鼻科rabbit

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2018.06.15更新

 

スギ花粉症に対して当院で行っている舌下免疫療法(シダトレン)ですが、治療開始の時期に決まりがありますnico

スギ花粉症を抽出した薬であるシダトレンですが、治療を安全に行うためには、スギ花粉の飛散時期には治療を開始できません。もともと自分の苦手なものを体に入れるため、外に花粉が多く、アレルギー反応が強く出ている時期ですと、副反応のでる可能性が上がってしまいます。

そのため、開始時期は6月~12月がよいとされております。治療を開始してすぐに効果が出る治療ではないですので、来年の花粉症の時期に効果を実感するためには、できれば秋までに治療開始することをおすすめします。

ですので、治療に興味がある方は、この時期の受診をおすすめいたしますflower2

 

zekka 

千歳烏山駅・仙川近くで耳鼻咽喉科をお探しなら

給田耳鼻科rabbit

 

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

2018.05.07更新

 


のどの痛みや違和感が続き、原因が特定されない場合、性感染症という可能性もあります。また、自らこれを疑って病院に受診される方もいらっしゃいます。

 

梅毒などの特徴的なのど(口腔・咽頭)の見かけが現れる病気に比べ、頻度の高い性感染症である淋菌やクラミジアののど(咽頭)への感染では、症状や病変が現れない場合が多いとされていますenこのことを無症候性感染といい、性的接触を介して相手の性器や咽頭に感染する可能性があります。

 

淋菌とクラミジアは尿道、性器以外にも結膜や咽頭にも感染します。

クラミジアは上咽頭炎を生じることがあります。淋菌はオーラルセックスの増加により、淋菌性の咽頭炎が増加しております。のどに特別な所見がみられないため、他の原因の咽頭炎との見かけ上での区別は困難です。診断には核酸増幅法を用います。当院では、生理食塩水でのどをうがいしてもらい、その液体を用いて検査(PCR法)しています。1週間ほどで結果が出ます。

 

淋菌性咽頭炎は、近年抗菌薬の耐性化が問題となっており、内服治療が効果不十分で点滴治療が必要なケースも多いとされており、治療が非常に難しい疾患です。

 

 

千歳烏山駅・仙川近くで耳鼻咽喉科をお探しなら

給田耳鼻科rabbit

投稿者: 給田耳鼻咽喉科クリニック

前へ 前へ