おたふくかぜは、流行性耳下腺炎(ムンプス)といい、ムンプスウイルスに感染すると発症します。主要な症状としては、唾液を出す耳下腺や顎下腺に腫れと痛みがおこり、発熱を伴うことが多いとされます。通常は1週間くらいで徐々に症状が落ち着きますが、難聴がおこることがあります。これをムンプス難聴といいます
この難聴の合併症の頻度は、以前は15000人に1人位といわれていましたが、実際には数百人から1000人に1人の頻度で発症しているとされます。おたふく風邪自体が幼少期にかかることが多いのですが、ムンプス難聴は片耳におこることが多く、お子さんがうまく症状を訴えることができないと、周囲の大人が難聴に気づかずに、あとから分かることもあります。日本では、年間で500~2000人ものムンプス難聴の患者さんが発生していると推測されています。実際にムンプス難聴と診断されるのは、この中の一部でしかありません。
ムンプス難聴には、現在のところ有効な治療法がありません。おたふく風邪自体にならないように予防するしかありません。これには、ワクチン接種が勧められます。現在、ムンプスワクチンは、公費による補助がない自治体が多いため、自費での接種が必要になります。就学時検診などで、はじめて難聴にきづくケースもあり、そうならないためのワクチンでの予防が一番と考えます。
先月の新聞に関連する記事がありました。毎日新聞9月16日 耳鼻咽喉科学会 おたふくかぜで336人難聴
https://mainichi.jp/articles/20170907/k00/00m/040/064000c
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