一般的なめまい薬である、メリスロン、セファドールなどでは症状改善が困難である反復性のめまい、慢性持続性めまいなどの難治例には、漢方治療も選択肢の一つです
めまい治療で頻用される漢方薬は、苓桂朮甘湯(39)、半夏白朮天麻湯(37)、五苓散(17)、真武湯(30)などが挙げられます。
苓桂朮甘湯は、漢方でいうところの、”気逆”=冷えのぼせ、”水滞”=体内の水の偏り、を改善させる薬とされています。めまい、ふらつきの他に、立ちくらみなど起立性低血圧にも効果があるとされています。
”気逆”とは、上半身は火照るが、下半身は冷えるという訴えが多く聞かれます。”水滞”を改善させる漢方薬は、「利水剤」と呼ばれますが、利尿剤とは異なり、体内の水の再分配を行う作用をもち、アクアポリンと関連しているということがわかってきました。
繰り返すめまいの原因が、この”水滞”である可能性もあります。めまいの原因とされる、メニエール病(メニエール症候群)の治療にも、この「利水剤」が効果的なことがあります。
半夏白朮天麻湯は、”気虚””気鬱”や”水滞”を改善させる薬とされています。元気がない、抑うつ気分などに効果があり、またもともと胃腸虚弱の方に処方される漢方であり、胃腸の弱い方でも比較的安全に使用できます。「頭冒感」という、頭に物がかぶさってような感じを訴える方もおり、それも”気虚”の症状のひとつですので、この漢方で改善がみられます。
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